優雅な読書は、昨日のランチタイムのみのつもりが。
結局、夕食作る合間、片付けの合間、そこここで読み終えてしまいました😊
(こんな風だから仕事遅いのか・・・いや、理由はこういうことだけじゃないはず😅)
小説はとことん好き好きが分かれるものだと思いますけれど、これはターゲットゾーンが広そう!売れたのが納得です!
素っ頓狂だけど親しみの持てる設定、軽やかな筆致、クライマックスの上手さ。
個性的な主人公や登場人物を爽やかに描ききっちゃうところは、なんだか初期の吉本ばななと重なる印象もありました。
(大雑把すぎるかな・・・)
主人公・倫子が突然山奥で始めるレストラン。
リアリティはないけれども、そもそもの、インド人である恋人の蒸発というきっかけからしてぶっ飛んでいるので、するするっとこの世界に浸れます。
多少の悪意や悲しみは出てくるにせよ、とても美しい世界。
ふくろう爺とおかんの手紙のくだりはじーんと来ました。
おかんの気持ちが分かりすぎてしまう。
最後に、感動ポイントとはまた違うのだけど。
「女系家族の気質が隔世遺伝するのでは?」という主人公の述懐、常々から感じていたことでした。
「永遠のオセロゲームをしているようなもので、母親が白に塗り替えたところを、娘は必死に黒に塗り替え、それをまた、孫は白に塗り替えようと努力する。」(『食堂かたつむり』 小川 糸 ポプラ文庫 p.66より)
母方祖母と孫娘が似る、と短絡したいわけではないです。
現に私は全然祖母に似ていないし、特に考え方に共鳴したりもしていません。
ですが、祖母に反発して「これが私のやり方」と気を張る母にやや否定的になるというその気持ちは凄く分かる。
そして、ポジの、めっちゃ優等生志向で、承認欲求高めなところは、何だか私の母に似ているなと常々思っていました。
(ポジはそこまで私の母に懐いているわけではないですが、やがては「似てる」と気づくのかな・・・)
母親、影響力が大きいだけに、娘からの反発や嫌悪はどうしたって持たれてしまうのかな、と覚悟してます。
ましてや、私はいつも仕事との両立でいっぱいいっぱい、ポジの独特な個性をうまく伸ばしてやれず、何度も無用な衝突を繰り返してきた自覚があります。
お母さんのダメ出しはいっぱいしていいよ。
だけど、大事で大事でたまらなくて、かけがえのない娘だと思って育てていたことだけは、伝わるといいなぁ。
そして、いつかポジが母となって子育てをする時、変な枷にならないといいなぁ。
(素晴らし過ぎる母、毒親すぎる母のいずれも、娘を縛る枷になってしまいそう。ナツは、素晴らし過ぎる方になる可能性はないですけどね😆)
安心して娘の巣立ちを見送れるよう、今は出来る限り手をかけるぞ💪